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  • 2019.02.26 Tuesday
  • 22:23

歌舞伎座、二月大歌舞伎

本日、何とか無事に千穐楽を迎えた

今月は長かった

昼の部、夜の部と一本ずつ、父の三十三回忌追善の狂言を出させて貰っていたから

いつも以上に気力、体力共に使った気がする

諸先輩方には初日から千穐楽まで、色々と力を貸して下さった上に、沢山の助言も頂き、鍛えて貰った

感謝しかない

中村福助の兄さんは愛の込もったメールを下さった

涙が出そうになった

同輩、後輩の多くも協力してくれて、とても有難い

一日、一日、大事に芝居をした

良くも悪くも、一日として、同じ芝居だった日は無かったんじゃないだろうか

そして、今日は四月に同じ役をなさる中村勘九郎さんが歌舞伎座にいらした

聞かれたので、衣裳の着方とかは少しお話ししたけれど、あんな巧い人に見られるなんて、僕にとっては或る意味で試験だよ

出演中の大河ドラマ「いだてん」も面白いし

彼の「義経千本桜」いがみの権太をこちらの方が拝見して、勉強したい位だ

神田松之丞さんが観に来て下さった時とはまた違う意味で、滅茶苦茶、緊張してしまった

千穐楽にとんだサプライズ

また、今月は実は個人的に家庭教師が付いていたのだ

昼の部の権太を僕より前に演っていて、夜の部「名月八幡祭」の立廻りにも携わっていた山崎咲十郎さんが、裏からしっかり見ていて、毎日、色々と意見をくれたのが心強かった

自分で気付かない所も指摘してくれたし、参考になったよ

一門ではないが、こうやって手を貸してくれる仲間が居てくれるのは、本当に頼もしい

仕事のみではない、友情だと、僕は信じている

これからもきっと、世話になる事も多いだろうな

彼は来月は京都に行ってしまうし

再来月は僕が名古屋

礼に一献酌み交わすのは、五月になりそうだ

もう一人、二十二年間、一緒に闘って来た仲間が今日で役者を辞めるのは残念だけれども

今日の仕事が全て終わってから本人から聞いた

正直、愕然とはした

戦友がどんどん減って行く

でも、奴が選んだ道ならば、その道を応援してやるのも戦友だ

せめてもは、奴の最後の舞台、担いで貰って一緒に花道を引っ込んだのが、いい思い出、文字通りの花道だったか

勿論、支えてくれた先々代、先代、そして、僕の直の弟子達にも言葉では言い尽くせない

祖父や父の代わりには及ばず寸足らずだけれども、死んで息子にバトンを渡す時まで、芝居も、日本舞踊も、一門を僕がちゃんと纏めて行きたいと考えている

応援をしてくれた方々にも、此処で改めて御礼申し上げる

昼、夜の芝居共に涙を流して下さった方が多かったのは嬉しい

そして、息子は自分とは違って、しっかりと祖父、延いては曾祖父に孝行をしてくれたと考えている

僕は他の一部の歌舞伎役者と違って、決して親馬鹿でも馬鹿親でもない

どちらかと云うと、かなり

いや、ひょっとすると超弩級のスパルタに入る部類かも知れない

だから、こんな事を思うのは珍しい

だが、彼は今月は振付の先生や先輩達の言う事を良く聞いて、今の彼が出来る事を懸命に勤めたと思う

彼は僕よりもよっぽど面差し、目付きが父に似ている

娘も、息子以上に顔は父にそっくりなのだ

いずれにしても

曾祖父、祖父の様な内輪にも外にも愛される人間になって欲しい

今月、歌舞伎座に来て下さったお客さん達

特に先々代、先代贔屓の皆さんは、どうでもいい僕の事は嫌いでも憎んでも全く構わないので、息子の事は誉めてやって貰いたいと、伏してお願い申し上げる

最後に、やっぱり、僕はこう云う、滑稽に不器用で不恰好な、直球一本勝負しか出来ない男だから

これからも、こうやって、窒息寸前に無様に足掻きながら

藻掻きながら生きて行くしか思い付かないし、そうやって生きて行くつもりだ

有難い事に四月、五月、六月、七月とまた、大きな仕事が続く

さて、今晩は久し振りに血を吐いて倒れる位に死ぬ程飲みたい気分だな

明日は少し休ませて貰って

明後日にでも報告がてら、墓参りに行きたい

今から、中村松江さんと飲むか

他にも、誰か声掛けたら来てくれるだろうか

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