尾上松緑、藤間勘右衞門の日記

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2018.09.02 Sunday

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今日、歌舞伎座にて秀山祭九月大歌舞伎の初日が開いた
開いたと言うか、今、まさに昼の部絶賛開演中な訳だが
僕が出演している「祇園祭礼信仰記」は、さっき、無事に終演した
僕自身が演じている松永大膳久秀に、お客さんからの想像以上の大きなリアクションが有ったのも嬉しかったけれども
今日はそれ以上に
自分の事以上に、中村福助の兄さんが病に倒れてから約五年振りの復帰
そして、その復帰された兄さんへの満席のお客さんからの温かく、大きな拍手に感無量だ
正直、福助の兄さんが登場した時は、鳴り止まない拍手に、舞台裏で出番を待ちながら、感極まって涙が溢れそうになってしまった
大膳と云う悪の役を演っている身としては不覚ながらもね
御子息の中村児太郎さんも懸命に舞台を勤めている
優しいお客さんで本当に有難い
福助の兄さん、児太郎さん親子はファンに愛されているな
“愛される”と云うのは、努力では補えない天性の才能
歌舞伎役者はそれが一番大事
あんなに、待っていて、応援してくれるんだもの
その才能を持ち合わせていない僕からしてみたら、羨ましい
今日、観に来てくれた友人も、楽屋に来て『客席も凄い盛り上がりの「金閣寺」だった』と、言ってくれたよ
まだ、初日が開いた所だから、自分の大膳の事に関しては課題は多々有れども
それをさて置いても、何は兎も有れ、いい初日だと思う
明日からもこの気持ちを胸に留めて舞台に出て行きたい
そして、福助の兄さんが一ヶ月、体調を崩さずにいらっしゃれる様に
一日、一日、より一層、元気になられる様に
切に願う
願わくば「仮名手本忠臣蔵」の寺岡平右衛門、お軽兄妹をまた一緒に演りたいな
あの月の「七段目」は心底、楽しかった
後輩の僕が言うのは何とも生意気でおこがましいが、年下の頼りない兄からしてみても、本当に可愛い妹だった
いつかまた、是非

14:18 | - | - | - |

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